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フェレットの病気

末期の腎不全【フェレットわさび】尿毒症とは?けいれん薬(抗てんかん薬)を今処方された意味

色んな皆さんからお写真をお借りしたりして、書きかけの記事が何個かあるのですけれど、

今日はわさびのお話しを…

わさび君は腎不全・インスリノーマで闘病中の8歳(シニア)です。

わさびの腎不全お話し⇒フェレット腎臓疾患【原因(腎臓病から腎不全)症状】尿素窒素BUN値が異常に高いワサビの例

インスリノーマの一般的なお話し

一般知識
フェレットと子供
インスリノーマとは?フェレット【低血糖の応急処置】症状と治療方法・注意しなきゃいけない大事なこと

俗に言う「インスリ」 これは副腎疾患・リンパ腫と並ぶ、フェレットの三大疾病の1つで、別名「膵島(すいとう)細胞腫」とも呼ばれています。 膵臓の中に島みたいな状態で散在している「ランゲルハンス島β細胞」 ...

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どこかが急に悪くなったわけでも、何かしらの症状が出ているわけでもありませんが、私たちは、わさび君を連れて病院へ行きました。

既に闘病していること、年齢の事などを考えて、「これが最後の大きな(詳しい)検査にしよう」って話し合って行ってきました。

生きとし生けるものは全て「その時」へ向かっているという一般論は当然としても、そればかりではなく、月に一度程度しか会わない私の目には、会うたびにわさびがその時へ向かう歩みを確実に進めているように見え始めたのです。

もちろん、毎日一緒に過ごしているスタッフ(おっちゃん)だって、そんな事は分かってはいます。

「ゆっくり穏やかにその時を迎えられるように」

そのために、おっちゃんがわさびとの毎日を大切に大切に過ごしている事は、見ていれば分かります。

ただ、そのスピードがここへ来て急に早まったように私は感じて…

だから、前の検査から半年経った「今のわさびの体がどんな状態なのか知っておくべきだ」って、今がそのタイミングなんじゃないかって説得して、半ば強引にそうしました。

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小動物の尿毒症はほぼ確実に死に至る

こちら(腎臓疾患は治らない)でも少しお話しさせて頂きましたが、慢性の腎臓病が進行して腎臓の機能が低下すると、腎不全が起こります。

わさびは慢性腎不全と診断を受けて闘病中でした。

腎臓の働きが、健康な状態の15%未満(ステージG5)になった状態は『末期腎不全』とされ、体内の老廃物や余分な水分を体外に排出できなくなり、尿毒症を起こすことになります。

尿毒症は、腎臓のはたらきが正常の10分の1以下に低下した時に起こります。

要するに、末期腎不全では尿毒症を「起こしやすくなる」ではなく、腎臓のはたらきが正常の10分の1以下に低下した時点で「尿毒症を起こす」「起こしている」という事です。

その日、わさびの病名は慢性腎不全から「末期腎不全」に変わりました。

尿毒症とは?

尿毒症の定義

腎臓(じんぞう)の機能障害のため、小便中に窒素成分が十分には排泄(はいせつ)されず、血液中に蓄積することによって起こる中毒症状。(原文ママ)

尿毒症の症状

出典:NHKきょうの健康

このように、尿毒症の主な症状は、

老廃物がたまることによる「食欲低下」「吐き気」「頭痛」「だるさ」

水分がたまることによる「むくみ」「動悸・息切れ」「息苦しさ」「尿量の減少」などが挙げられます。

ほかにも、「脈の乱れ」「血管の石灰化」「血圧が高くなる」「貧血」「骨が弱くなる」などの症状も起こります。

症状の解説

上記のように、その症状は多くの臓器にわたり、表面上に出る症状も実にさまざまです。

初期の症状

疲れやすい、だるい、思考力の低下

から始まり、

体には

体の表面のむくみ(浮腫)、胸に水がたまる(肺水腫(「肺うっ血/肺水腫」))などの症状も現われます。

神経や筋肉症状は

知覚異常、末梢神経痛、筋肉のけいれん、全身のけいれんなどが起こることがあります。

消化器症状は

食欲低下、吐き気、嘔吐、口内炎、口の中の味覚不良がみられます。

進行すると

口内潰瘍や出血がみられます。

栄養不良となり、痩せてきます。

循環器症状は

高血圧となったり、また、ひどくなるとうっ血性心不全、心膜炎が現われます。

皮膚は

黄褐色に変色し、尿毒素斑点という、汗の尿素が皮膚に結晶を形成した斑点が見られるようになったりもします。

その時は肌がとても痒いです。

骨は

発育障害、骨折、異所性石灰化(いしょせいせっかいか)(関節周囲、動脈壁、肺、心筋、眼球結膜に生じる石灰化などがみられることがあります。

体の小さい動物たちはこの「初期」から「進行すると」までがあっという間です。

「骨の異常が」だとか「眼球結膜が」だなんて、気付いてあげられることはほぼありません。

そのほとんどは「あとから思えば」です。

小さい体に起こる「結果」

上記の「症状の解説」は人間でも、この子達でも「同じ」とされてる症状ではありますが、この子達の小さい体では、そのスピードが待ったなしである場合がほとんどです。

あっという間にその毒素は体中を巡り、体内に蓄積されて、本当にあっという間に「脳」へも回ってしまいます。

結果、

脳動脈硬化のため発生する動脈硬化性脳症などの、意識喪失にいたる脳症の状態になる事が多いです。

だから、この子達が尿毒症を起こした場合、飼い主である私たちには、四の五の言ってる猶予をもらえないまま、昏睡状態に陥り死んでしまう事の方が多いのです。

昏睡状態に至る直前は

「頭が割れるように痛い」

「四肢が痛い」

とされています。

「昏睡状態の中、全身を痙攣させながら死に至る」と私は習いました。

わさびの体で今起きていること

尿素窒素(BUN)の値が「尋常じゃない値」を示していました。

基準値「12~32」であるべきところが「258」ですから、それはお分かり頂けるとは思いますが、本来、普通の測定では、この数字は出ないのです。

このように、

普通の計測では「140mg/dl」がマックスの値なのです。

それが意味するところは、素人の私にだって、「尋常じゃない事態」だって事くらい分かります…

わさびの日常

冒頭で書いたように、私たちは、「何かがあったわけでは無いけれど、検査をしてもらいに来ました」と先生に言いました。

この数字が出て先生は

「本当にご飯を自分で食べているのですか?」

「本当にオシッコは出ていますか?」

「本当に…」

「本当に…」

と何度も何度も「しつこく聞いてすみません、でも、本当に出来ているのですか?」と聞きました。

本当にわさびは出来ているのです。

吐き気や味覚不良から起きるとされる食欲不振も見られず、カリカリご飯を自分の口から自分でちゃんと食べています。

トイレを外す事は確かに増えたけれど、おしっこだってちゃんと自力排泄しています。

だからと言ってそれは「体がつらくない」証明にはならないのですけどね…

数値は、わさびがしんどい思いをしている事を表しているそれなのですから。

緊張して出なかっただけ

久しぶりに遠くの病院へ行ったその日、私たちはいつもの「皆で一緒にお出かけだよ」作戦を取りました。

少し怖がりだけど、頑張って強がろうとする男らしいわさびが緊張しないよう、「いつも通り」「楽しいお出かけ」って思ってもらえるよう、

キャリーは分けているけれど、エルもサスケも一緒に連れて行きました。

それでも、やっぱり少し緊張してたのかな…

先生に触診してもらう時、目視で確認できるほど、膀胱がボッコリと膨らんでいました。

先生に優しく押し出しもらったら、かなりの量(ペットシートが重たくなるくらい)オシッコが出ました。

だから、先生は「本当に普段、オシッコがちゃんと出ているのか」を何度も確認したのだと思います。

でも、家では本当に自力で普通に排泄してるんです。

男の子の副腎疾患は「尿道閉塞」を起こす

わさびがこれまで「副腎疾患」と診断された事はありませんが、その日「副腎が腫大(肥大化)している」事が触診で分かりました。

だから、もしかしたら、その影響で「オシッコが出にくくなってるんじゃないか」という事は考えられる要因の1つではあります。

※男の子が副腎疾患に罹患すると、前立腺が腫大して尿道を圧迫し、排尿しにくくなったり尿道閉塞を起こします。

その詳細は⇒副腎疾患【フェレットの三大疾病】副腎腫瘍とは?

排尿できない(または尿量が少なくなる)状態であれば、その分だけ毒素が溜まるのは当然です。

上記の数値について、「だから~」等と副腎疾患からのそれじゃないかと思えれば、してあげられる治療の選択肢も出てくるのですが、わさびはもう半年以上も前から尿素窒素(BUN)の値が高いとして投薬を続けてきました。

BUNについての詳細や、そのお話しはこちら

BUNとは
いたちのおうち(わさび君)
フェレットの腎臓病・腎不全【原因・症状】一般血液検査では分からない尿素窒素BUN(生化学検査)

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オシッコも出ています。

今回の数値は「腎臓の機能が低下し続けている」事を表しているというだけなのです。

わさびの体で今後起きるであろうこと

少しずつ、もしくは急に腎臓が動きを止めてしまう完全な腎障害を起こすと、乏尿(オシッコの量が減る)から無尿(オシッコがまったく出なくなる)になります。

数値だけを見たら「今がその状態であると言っても言いすぎではない」と先生はおっしゃっていました。

人である場合の多くの例は

24時間の尿量が500cc以下を乏尿、100cc以下を無尿と言いますが、この乏尿あるいは無尿を生じます。この乏尿ないし無尿は、腎障害が起こって24時間以内に生じます。
腎前性、腎性、腎後性、また原因となった病変により随伴する症状は多少異なりますが、尿毒症症状が起こります。
その対処法は、そのすべてが対症療法となります。人工透析の対象の有無が図られます。

この24時間というのは「急性腎不全」からの目安とされる数字であって「慢性腎不全」の場合はそんなに猶予は無いとされています。

また、ここにある対処療法とは、大方の場合、「それまでの投薬(利尿剤投与)を中止して人工透析を開始する」です。

これは、あくまでも「人の場合」の「一般例」です。

人工透析はしない(できない)

ワンちゃんや猫ちゃんなど「ペットの人工透析」のお話しを聞く機会が増えてきたので、誤解されている飼い主さんが時々おられるのですが、それら多くの場合は、人のそれとは違い、あくまでも「急性腎障害の治療」である事が多いです。

これは例えば、熱中症や感染症などによる急性腎不全の対処療法でしかないという事です。

熱中症を疑われたフェレットが急性腎不全からの多臓器不全で亡くなったお話し

慢性腎不全で投薬中のわさびが、この先、急性腎障害を起こしたとしても、その時の「治療」に透析という選択肢はありません。

そして、わさびの体内の様子を表すこの数値はもう「確実にそれを起こす(起こしていてもおかしくない)」とされる値なのです。

出来る限り、穏やかに、苦しくないように…のお薬

「何も悪いところはないはず」と思って軽い気持ちで健康診断を受けに来た患者に、それを伝える先生は相当きつかったんじゃないかなって思います。

でも、この数値が出てから、先生は終始一貫の態度を貫いてくれました。

私だって、それなりに少しだけは詳しいつもりでいる有資格者ですから、分かっています。

いや、そんなもん、私じゃなくたって「8歳という年齢で大きな病気を2つも抱えているフェレット」が「この数値」なのですから、病院の先生の口から「頑張りましょう」だなんて、軽々しく発せられたら、それがどれだけ無責任な言葉になるのかは普通に考えれば分かることです。

だから、先生のその「かなりシビアな話をしています。それは未来の話しではなく、今この現時点ですでに起きている話です」としてくれた説明が私には、ありがたかったです。

わさびの2つの「治らない病気」が分かってから今日までずっと、たった一つだけの、私たちが望んでいること

「少しでも苦しくないように、少しでも穏やかにその時を迎えられるように」の相談をする事が出来ました。

その為に私たちにできる事は何か、先生ならどう考えるか、長い時間をかけて、私の話を聞いて頂いたうえで、今回処方してもらったお薬は

吸着剤:わさびの体が「少しでも楽になってくれるように」の薬

ずっと高かった「リン」の値が更に跳ね上がっていました。

お薬の詳細や「リン」についての事は後述しますが、その吸着剤の量を増やしてもらいました。

吸着剤とは、少しでも体へ回る毒素を少なくできるよう、そのお手伝いをしてくれるお薬です。

「この量を全量飲めなかったら無理に全部を飲ませる必要はないですけど」というアドバイスは、このお薬ももう「付け焼刃」でしかないという意味です。

わさびはインスリノーマのお薬もあれもこれも飲んでいますしね。

付け焼刃でも何でも、何もしないより、きっと…絶対、体は楽なはずだって信じています。

皮下輸液:わさびの体が「少しでも楽でいられるように」の処置

「フェレットが毎日、皮下輸液の処置」を必要とする場合、その多くは

長引く下痢などの時に、自力で飲水できない状態からの脱水症状を防ぐ目的

か、

何かしらの原因で起こる脱水状態を少しでも緩和し、体の負担(しんどい状態)を軽減してあげる目的

の2パターンかとは思うのですが、後者は、看取りの時が近い事を教えてくれる体のサインを「何かしらの原因」としている場合がそのほとんどです。

そうじゃない…「治る」場合のそれは入院措置などして「治るまで病院で」その処置をしてもらえますからね。

もちろん、わさびは後者です。

色々な原因はあるのでしょうが、原因より何よりももう「脱水状態の軽減」を目的としたQOLの維持のための処置です。

けいれん薬(抗てんかん薬):苦しそうなわさびを見たくない私のための薬

「尿毒症というのは、意識混濁の状態に至るまでは頭痛やだるさ、吐き気など色々な状態ではありますが、その状態になった時には本人の意識は混濁状態にあるので苦しくはない」と習いました。

インスリノーマ(低血糖)の発作や脳炎などの発作、てんかん発作と同じです。

「本人は苦しくないと言われています

それは、飼い主としてすごく救われる一言です。

「本人が苦しくないのなら良かった」って思わなければ、それにすがらなければ耐えられないほど、苦しそうに見えますから…

わさびを診ながら「この数値で今こうしているのが不思議」と、決してそれは、奇跡だとかそんな楽観的な意味ではなく、「そういう意味です」と何度も念を押してくれた先生、

「もしそうなった時…その時に、苦しそうな様子を止めてあげられるお薬を出して下さい」という私のために「けいれんを止めるお薬」を処方してくれました。

薬品名を聞くのを忘れました。

多分、抗てんかん薬の一種だと思います。

「これは痙攣を止めるお薬です。でも、そのまま逝ってしまう可能性を考えてお出しするお薬です」と、これも何度も念を押してくれました。

※これは、そのお薬にそういう成分が入っているのではなく、わさびの体がもうそういう状態だという意味です。

お会計の時にわざわざ待合室まで出てきてくれて、最後にもう一度、そのお薬を処方してくれた意味をお話ししてくれました。

※繰り返しますけど、このお薬に安楽死へ誘うような成分は入っていません。

薬品名は聞いていませんが、あくまでも「けいれんを止める作用しかない」お薬です。

その証拠に

2本出してくれました。

「危ないかも」と思って投薬して、痙攣が治まったら「また普通に戻る可能性」が0じゃないって事です。

楽観的になるわけでは決してないけど、少し嬉しくなりました。

わさびは自分のペースでのんびり生きてる

先生はあの時、その数値から「もう数時間ももたない」と判断されたのかもしれません。

この数値が意味するそれは「今この場でそれが起きている」としても、何もおかしくはない数値である事は間違いない事実なのですから…

でも、わさびは今日も口からカリカリご飯を食べて、フリーダムにだけどトイレも快調。

ポリポリだってこの通り

友達が

友達
友達
すごいなぁ、わさびさん
頑張ってるとかいうよりも本当にのんびり自分が生きたいから生きてる感じがすごいよ

って言ってくれました。

わさびって本当にそういう感じの子なのです。

今日のアイキャッチ画像は放牧中にヒンヤリした床で横になって休んでいるのんびりワサビです。

全部、上記の診断をされた後のわさびです。

頑張り屋さんで優しいわさび。

精神的に弱いおっちゃんの事を誰よりも心配してずっと寄り添ってるわさび。

本当に優しい男の子。

一日でも長く一緒にいたい気持ちはもちろんあります。

でもだからって、私たちのそんなエゴに応えようと無理して頑張らなくて良いって、言ってあげなきゃいけない時がきているのかもしれません…

本当はまだ言いたくないけど。

でも、わさびはわさびのペースでゆっくり穏やかに…

その為に私たちはいるんだよって。

わさびからもらうばっかりだった私たちが今日からは、わさびにしてあげる番だからねって、そんな事を話しながら、今日ものんびり過ごしてもらっています。

「わさびが穏やかであるのならば、わさびの体が苦しくないのであれば、それが一日でも長く…これからも続くように」が、絶対的な願いです。

吸着剤の詳細やわさびの投薬記録的なお話しはこちらです。

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おしまいに

「闘病」についての考え方は人それぞれです。

同じ病名がついていても

「できる治療」も「してあげたい治療」も、「その子によって」「飼い主によって」「病院によって」違います。

これはあくまでも

わさびの闘病について、2つの病院(先生)にお世話になりながら私たちがしてきている事ってだけのお話しです。

どのご家庭のニョロ達も

みんなみんな、健やかで穏やかな毎日を過ごせますように☆彡

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